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マリオ真章 #194(LR_10)

「ミヤモト、号令」
 不意に呼ばれたミヤモトは、人垣をかき分けて最前列に出て来た。
「格納庫まで駆け足」
「……」
「――復唱っ!」
「了解。格納庫まで駆け足!」
 仲間の号令に、飛行班は体制を整えた。ミヤモトを先頭にした列が出来ると、彼は視線を投げて来た。頷いて返すと、全員が一斉に駆け出した。狭い通路をものともせず、隊列を崩さぬよう、走り抜けていく。
 先頭集団が最初の角を曲がったのを見届けてから、通達が遅れていたのを思い出した。キノピオの方を振り返ると、偶然だろうが向こうの顔もこちらに向いた。
「キノピオ、格納庫を呼び出せるかい?」
「出来ますけど、何か?」
「整備班に連絡するのを忘れてたんだ。もうすぐ血気盛んな連中が行くと、伝えておいてくれ」
「分かりました。分かりましたんで、早く行って事態の収拾付けて下さいよ」
 キノピオはそれだけ言うと、さっさとイケといわんばかりに手を振っている。反論している猶予はない。こうしている間にも<グリーン2>は撃ち落とされんとしているし、海中にいる隊員の救助も急いでやらねばならない。
 無論、格納庫ではまた、新たな火種が生まれているやも知れない。幾ら緊急時だからと言って、正規の部隊でない連中に虎の子を貸し出すなど、整備する側からすればとんでもない話だ。
 その話をつけてやれるのは、僕しかいない。
 環境の固い床を蹴って、格納庫へ急ぐ。廊下に出ても、次の角を曲がってみても飛行班の最後尾は見当たらない。流石に体力だけは一級品らしい。
 格納庫直通のエレベーターには、次の角を曲がればすぐだ。到着後の指示を考えながら、速度も落とさずに通路に出ると、何かにぶつかった。
「きゃっ」
「ごめん。大丈夫?」
 柔らかい感触と、可愛らしい声。相当若い女性隊員が尻餅をついていた。
 僕が手を差し出すと、隣りにもう一つの手が差し出された。そちらに目をやると、少女のような顔の少年が、勝ち気な雰囲気を身にまとって佇んでいた。
「余所見すんなよ」
「ご、ごめん」

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趣味で文章を書き続けて8年くらい? の学生です。
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