FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

マリオ真章 #205(LR_21)

<行きますよ!>
 <グリーン2>は最大速に入りかかった機体の機首を上げ、減速をかけながら、<ブーツ>の花道を通り抜けた。後から、衝撃波に近い気流が甲板のホコリや砂などの堆積物を巻き上げ、視界を遮断する。
 その遮断されたカーテンの向こうから、チューブの軋むような音が聞こえて来た。機体と、パイロットは無事なのか?
「グリーンバーグ」
<はい?>
「機体は無事か?」
<無事って言われると難しい所ですがね>
 モニターのグリーンバーグは、後ろの黒い固まりの方へ視線をやった。そこには、<グリーン2>の機体がゴムチューブに包まれていた。
<速度と姿勢を間違ったんでしょう。チューブが2、3本引き千切られましたよ。おまけに左の翼端なんざ、どこで擦ったのか。綺麗さっぱり>
 軽く曲げられた指がゆっくり開き、緩い破裂を表現していた。
<ま、たっぷり怒鳴りつけるには、充分でさぁ>
 2人の整備員に、肩を支えられながら引っ張り出された男を見て、グリーンバーグは六角レンチを握り直した。
「程々で頼む」
<了解>
 通信を切り、顔を上げる。視線の先には、艦に取り付こうとしている<パタパタ>の群れ。<グリーン2>という獲物を失った連中は、隊列を組みながらこちらに向かって来る。
「<ブーツ>全機、持ってる弾を全部吐き出せ。出せるだけ出したら、艦内へ入れ」
 進路を埋め始めている敵機に照準を合わせ、トリガーを引く。そこかしこから銃器の発砲音が聞こえて来るが、やはりもう数が少ないようだ。弾幕にするには物足りない。艦砲も、間が抜けたように同じ攻撃を繰り返している。
「キノピオ」
 ブリッジに通信を繋ぐ。大きな毛玉が、モニターに映った。
<はい>
「これより本海域を全力で離脱する」
<針路は?>
「あの黒雲だ。アレを突破する」
<了解。操舵手、黒雲へ向けて舵を切れ。機関部、機関最大>
 キノピオの指示がブリッジクルーに伝播して行く。大きな振動と体にかかる遠心力。艦の進路が変わったこと、艦のエンジンに火が入ったことが、甲板の上からでも良く分かる。
スポンサーサイト

comment

管理者にだけメッセージを送る

プロフィール

Maskedwriter

Author:Maskedwriter
ども。仮面ライターです。
趣味で文章を書き続けて8年くらい? の学生です。
どうぞよろしく。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。