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マリオ真章 #209(LR_25)

 得意気にアサルトライフルを下げた<ブーツ>の乗員は、声で分かる。生意気な、あの小坊主。
「ミヤモト、お前……」
 通信機で呼び出したパイロットは、どこか誇らしげにニヤついていた。
<中尉の命令を守ったまでです>
「何?」
<『撤退する機体の背中を守れ』って言いませんでした?>
 確かに、それは言った。ミヤモト個人に出した指示だ。だがそれは、新人を守れという意味で言った言葉。それを僕に適用するとは。
「お前……」
<――?>
 ミヤモトが首を傾げた所で、モニターに脂っぽい顔が割り込んだ。
<中尉、無事ですか?>
「ああ。大丈夫だ、キノピオ」
<だったら、さっさと艦橋に来て下さい。指揮はあなたでないと>
「分かった分かった」
 キノピオの切羽詰まった顔との通信を、無理矢理中断し、ミヤモトに繋ぎ直した。
「お前のことは後だ」
<はい。いいえ。自分のこと、とは?>
「陸についてからのお楽しみだ」
<――は、はい>
 ミヤモトは「お楽しみ」という言葉に反応したのか、やけに嬉しそうな表情を浮かべた。一文字の眉毛が、八の字に緩んだ。
 その顔を見ていたら、腹の虫が居所を悪くした。少しの戒めも含めて、宣言する。
「覚悟しとけよ」
<――は?>
 抗議しようとしたミヤモトとの通信を中断し、機体を整備員とグリーンバーグに任せて<ブーツ>を降りた。
 <マリンポップ>の航行速度が上がったのだろう。脚の裏を伝う振動がやや大きくなり、体に感じる加速度がそれを物語る。床をしっかり掴み、バランスを取りながらブリッジ直通のエレベーターを呼び出す。
 そのエレベーターを待つ間、横にあった通信機を手に取り医務室へ繋いだ。2回のコールを置いて、覡が受話器を取った。
<なんですか?>
「いや、救助者はどんな様子かと思ってね」
 モニターに映るその表情は、疲れてはいるが決して暗いものではない。覡の向こう、ベッドの所では戒が医師に紛れて手を動かしていた。
<大丈夫ですよ。一人は>
「一人は?」
<もう一人の、ぐったりしてた方の救助者はやばかったみたいですけど、姉の針治療で快方に向かってるんで、大丈夫じゃないですか?>
「そうか。なら、いい」
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趣味で文章を書き続けて8年くらい? の学生です。
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