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マリオ真章 #219(LR_35)

 3人の男の真ん中で、一番の大男はイワタを気遣うように、手を差し伸べた。
「大丈夫ですかな、イワタ殿」
「だ、大丈夫」
 イワタは呼吸を整えながら、もう大丈夫だという意思表示に右手を上げた。それを察した大男は、すぐに頭を切り替えたのか、今度は自ら大ビンを握り締めて立ち上がった。
「さあ、今度はこの私。スーパーなゴジータ様が一気飲みを御覧に入れましょう」
 ゴジータと名乗った大男は、医務室で大酒を食らおうとしている。
 それどころか、今目の前で行われている行為は、上官として、艦長として止めるべきではないのか。医務室の責任者を探して、視線を巡らせる。先程通信機に顔を出した医師は、そばの机に突っ伏していた。
「おい、大丈夫か?」
「ら、らいょうぶれすぅ」
 医師は回らない呂律で答えたが、その口からはひっきりなしにアルコール臭が漂って来る。上気した頬に赤い首筋。こいつもやられたか。
 この部屋での責任者が潰れてしまったのであれば、止めるのは僕の役目。制服の襟を正し、キリッと眉を引き締めた。
「おい、そこの君」
 ビンの口に手を当てそのまま傾けようとしていたゴジータは、動きを止めてこちらを向いた。筋骨隆々の、いかにも海の男といった彼は、太い腕をのぞかせる。
「何か?」
「何か? じゃない。今は勤務中だ」
「いえ。ちょっと前に勤務交代で、私たちは休憩中ですが」
「なっ」
 助けを求めて、視線を横井に向ける。彼はバツが悪そうに俯きながらも、頷いて返した。「岩田」に向けても、さっと視線を逸らされるだけ。
「きゅ、休憩中でもここは医務室だ。医務室での飲酒は禁止されている」
「おや、そのような規則が?」
 ゴジータは、不満そうによぷにへ視線を投げ掛けた。彼女は、手元にあったマニュアルに目を通すと、頭を振った。
「ないみたいですぞ」
「――の、ようだが。彼らのような連中に酒を飲ますのは言語道断だろう」
「彼らが生死を彷徨ったからこそ、快復を祝っておるんですが」
「何を」
「邪魔をされるのであれば、ご退席を」
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ども。仮面ライターです。
趣味で文章を書き続けて8年くらい? の学生です。
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