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マリオ真章 #191(LR_7)

 ミヤモトの強い眼差しは、僅かに下げられた。クツの先を見つめたその目は、すぐさま上に向けられる。
「しかし、」
「――しかし?」
 真っ直ぐな目に、水を向ける。ミヤモトは言葉に詰まったらしく、にわかに言い淀む。
「――このまま<グリーン2>を見捨てるなんて、自分には」
「出来ないよ。君だけじゃなく、みんな。ね」
「えっ?」
 困惑するミヤモトの後ろを指差した。彼の振り返る先にあったのは、彼と同じ戦闘機乗りの青年たち。その顔に、強さは違えど苦渋の表情を浮かべ、真っ直ぐミヤモトを見つめている。
「もちろん、僕にも無理だ」
 僕の告白に、再びこちらに顔を向けたミヤモトだけでなく、その後ろに控えるパイロットたち――いや、ブリッジにいる面々の半数近くが半ば呆然としたままこちらに目を向けた。
「見捨てないよ。絶対に。見捨てないし、新しい犠牲も絶対に出さない。それが、僕の責務だ」
 手を止めたクルーの合間を縫って、<グリーン2>と交信を図る。応答を期待せず、一方的に指示を飛ばす。
「<グリーン2>、高度を下げろ。出来るか?」
<……>
「<グリーン2>?」
 何度読んでも返事がない。
 レーダー班に視線を送り、状況を訊ねる。
「<グリーン2>の動きは、どうなっている」
「今の所、不規則な軌道を取って無事ですが、いつまで持つか」
 係官の言葉より、そばに控える計器の方がより鮮明に、<グリーン2>のおかれている状況がいかに危機的であるかを物語っていた。
「高度は?」
「多少上下はしてますが、いかんせん敵機が多すぎるようで、下げようにも下げられない状況だと思います」
「そうか」
「――隊長」
 後ろから声を掛けて来たのは、ミヤモトだった。その顔には、先程と同じ表情が宿っている。
「やはり我々が」
「――ああ。そのようだ」
 首を縦に振ると、ミヤモトは曇った表情のままその場に佇んでいた。
「本艦はこれより、<グリーン2>の救出作戦を開始する」
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趣味で文章を書き続けて8年くらい? の学生です。
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